Bouveret症候群を呈した巨大なコレステロール結石を内視鏡的に完全截石した1例

症例は85歳女性. 上腹部痛, 嘔吐を主訴に受診し, 血液検査で貧血があり上部消化管出血の疑診で入院した. 上部消化管内視鏡で十二指腸球部前壁に潰瘍性病変があり, その肛門測は結石で閉塞していた. 腹部超音波, CT, 十二指腸造影で十二指腸内の結石像と共に十二指腸と胆嚢の交通がみられ, 胆石イレウス, 胆嚢十二指腸瘻と診断した. 本例はBouveret症候群といわれ, 多くは外科的治療が行われる.本例は上部消化管内視鏡下に電気水圧衝撃波結石破砕を行い, 結石を全て破砕し治療に成功した. 本法が行える条件は, 内視鏡で結石を視認できる症例と限定されるものの, 低侵襲かつ有用な方法であると思われ...

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Published in胆道 Vol. 19; no. 2; pp. 171 - 177
Main Authors 池田, 真幸, 清家, 正弘, 多田, 知子, 井上, 博和, 酒井, 義浩, 志村, 純一, 浮田, 雄生, 前谷, 容
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2005
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.19.2_171

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Summary:症例は85歳女性. 上腹部痛, 嘔吐を主訴に受診し, 血液検査で貧血があり上部消化管出血の疑診で入院した. 上部消化管内視鏡で十二指腸球部前壁に潰瘍性病変があり, その肛門測は結石で閉塞していた. 腹部超音波, CT, 十二指腸造影で十二指腸内の結石像と共に十二指腸と胆嚢の交通がみられ, 胆石イレウス, 胆嚢十二指腸瘻と診断した. 本例はBouveret症候群といわれ, 多くは外科的治療が行われる.本例は上部消化管内視鏡下に電気水圧衝撃波結石破砕を行い, 結石を全て破砕し治療に成功した. 本法が行える条件は, 内視鏡で結石を視認できる症例と限定されるものの, 低侵襲かつ有用な方法であると思われる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.19.2_171