非けいれん性てんかん重積状態をくりかえした成人発症II型シトルリン血症の1例

症例は47歳女性.41歳ごろより異常行動と意識障害をくりかえし,脳波異常と高アンモニア血症を指摘されていた.高アンモニア血症に加えて,血漿シトルリン,アルギニンの上昇をみとめたため,成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)をうたがい遺伝子検査をおこない,CTLN2と診断した.異常行動と意識障害は血漿アンモニア値とは必ずしも相関せず,脳波上てんかん重積状態を示すことが多く,非けいれん性てんかん重積状態の関与が考えられた.CTLN2の異常行動や意識障害の原因として高アンモニア血症以外にてんかん重積が関与している可能性があり,適切な脳波検査が治療上重要と考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 49; no. 9; pp. 571 - 575
Main Authors 服部, 信孝, 田中, 亮太, 舟邉, さやか, 卜部, 貴夫, 川崎, 誠二, 小林, 圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2009
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.49.571

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Summary:症例は47歳女性.41歳ごろより異常行動と意識障害をくりかえし,脳波異常と高アンモニア血症を指摘されていた.高アンモニア血症に加えて,血漿シトルリン,アルギニンの上昇をみとめたため,成人発症II型シトルリン血症(CTLN2)をうたがい遺伝子検査をおこない,CTLN2と診断した.異常行動と意識障害は血漿アンモニア値とは必ずしも相関せず,脳波上てんかん重積状態を示すことが多く,非けいれん性てんかん重積状態の関与が考えられた.CTLN2の異常行動や意識障害の原因として高アンモニア血症以外にてんかん重積が関与している可能性があり,適切な脳波検査が治療上重要と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.49.571