脳幹聴覚誘発電位の中枢伝導時間延長が手がかりとなり,Cx32に新規の遺伝子変異が確認されたCMTX1の成人男性例

幼児期に緩徐進行性の歩行障害で発症し,脳幹聴覚誘発電位(brainstem auditory evoked potential:BAEP)にて中枢伝導時間の延長をみとめたCharcot-Marie-Tooth病(CMT)の成人男性症例を報告した.運動神経伝導速度が中等度に低下し,BAEPの中枢伝導時間が延長していたことからCMTX1をまずうたがい,Connexin32(Cx32)の遺伝子変異を検索した結果,ヌクレオチド277-8番のATが欠失したためフレームシフトがおこり,93番以降のアミノ酸が変異した新しい遺伝子変異をみとめた.BAEPはCMTの亜型診断に有用な方法と考えられた....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in臨床神経学 Vol. 50; no. 6; pp. 399 - 403
Main Authors 秋本, 千鶴, 森田, 光哉, 山本, 正彦, 中野, 今治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2010
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:幼児期に緩徐進行性の歩行障害で発症し,脳幹聴覚誘発電位(brainstem auditory evoked potential:BAEP)にて中枢伝導時間の延長をみとめたCharcot-Marie-Tooth病(CMT)の成人男性症例を報告した.運動神経伝導速度が中等度に低下し,BAEPの中枢伝導時間が延長していたことからCMTX1をまずうたがい,Connexin32(Cx32)の遺伝子変異を検索した結果,ヌクレオチド277-8番のATが欠失したためフレームシフトがおこり,93番以降のアミノ酸が変異した新しい遺伝子変異をみとめた.BAEPはCMTの亜型診断に有用な方法と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.50.399