Edwardsiella tarda敗血症による腓腹部に限局した筋膜炎が示唆された1例

症例は49歳男性である.発熱と両側腓腹部の疼痛,発赤,腫脹と歩行障害をみとめた.高度の炎症反応と高CK血症,高エンドトキシン血症をみとめ,血液培養でEdwardsiella tarda (E. tarda )が検出された.CTでは両側腓腹筋の筋膜下に膿瘍と皮下の浮腫をうたがう所見をみとめた.E. tarda による敗血症,筋膜炎をうたがい抗生剤を使用し第43病日に退院した.E. tarda 感染による壊死性筋膜炎の報告はまれであり,敗血症をともないかつ基礎疾患を有しているばあいは,致死率がきわめて高いことが知られているため注意すべき菌種である.本例では基礎疾患のなかった点が良好な転帰をとった要...

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 9; pp. 694 - 698
Main Authors 大内, 東香, 北原, 真紀子, 原, 賢寿, 石黒, 英明, 宮内, 孝治, 柴野, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.694

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Summary:症例は49歳男性である.発熱と両側腓腹部の疼痛,発赤,腫脹と歩行障害をみとめた.高度の炎症反応と高CK血症,高エンドトキシン血症をみとめ,血液培養でEdwardsiella tarda (E. tarda )が検出された.CTでは両側腓腹筋の筋膜下に膿瘍と皮下の浮腫をうたがう所見をみとめた.E. tarda による敗血症,筋膜炎をうたがい抗生剤を使用し第43病日に退院した.E. tarda 感染による壊死性筋膜炎の報告はまれであり,敗血症をともないかつ基礎疾患を有しているばあいは,致死率がきわめて高いことが知られているため注意すべき菌種である.本例では基礎疾患のなかった点が良好な転帰をとった要因と考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.694