外傷性因子が関与する歯の動揺に関する研究
歯の動揺は歯周疾患の病因のうちの炎症性因子, 外傷性因子双方によって発現するが, 本研究はそのうち外傷性因子をもつものの動揺歯の発現状態とその因子を知る目的で, まず動揺歯の発現状況について上下顎別, 歯種別, 年齢別に検討し, 次に動揺歯と歯周ポケットの状態, 欠損歯との関係, ファセットの状態, 咀嚼筋活動量との関係について検索した。 その結果, 動揺歯を有するものは, 対象506名のうち80%にみられ, 動揺度は軽度なものが83.7%と大部分を占め, 動揺歯は下顎にくらべ上顎に多く, 最も動揺しやすいのは左側上顎第一小臼歯であった。年齢的には, 46~50歳群で急増し, 加齢とともに増加...
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Published in | 日本歯周病学会会誌 Vol. 34; no. 2; pp. 341 - 367 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
1992
日本歯周病学会 |
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ISSN | 0385-0110 1880-408X |
DOI | 10.2329/perio.34.341 |
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Summary: | 歯の動揺は歯周疾患の病因のうちの炎症性因子, 外傷性因子双方によって発現するが, 本研究はそのうち外傷性因子をもつものの動揺歯の発現状態とその因子を知る目的で, まず動揺歯の発現状況について上下顎別, 歯種別, 年齢別に検討し, 次に動揺歯と歯周ポケットの状態, 欠損歯との関係, ファセットの状態, 咀嚼筋活動量との関係について検索した。 その結果, 動揺歯を有するものは, 対象506名のうち80%にみられ, 動揺度は軽度なものが83.7%と大部分を占め, 動揺歯は下顎にくらべ上顎に多く, 最も動揺しやすいのは左側上顎第一小臼歯であった。年齢的には, 46~50歳群で急増し, 加齢とともに増加する傾向にあった。歯周ポケットは3mm以下が77.2%を占め, ファセットは50.8%に認められた。動揺歯率と欠損歯率とは関係がなかったが, 咀嚼筋活動量とは有意の関係にあった。 |
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ISSN: | 0385-0110 1880-408X |
DOI: | 10.2329/perio.34.341 |