開眼失行を呈した筋萎縮性側索硬化症/前頭側頭葉変性症の1例

症例は76歳の男性である.両眼の開眼失行で発症し,脳幹,頸髄,腰仙髄の各レベルで上位・下位運動ニューロン障害を呈し,針筋電図検査では神経原性変化をみとめた.さらに前頭葉機能低下が前景に立つ認知機能低下と,特徴的な失語症をともなっていた.頭部MRIで両側前頭側頭葉の萎縮をみとめ,99mTc ECD SPECTでも同部の血流が低下していた.筋萎縮性側索硬化症/前頭側頭葉変性症に開眼失行をともなう比較的均一な病像を呈する一群がまれながら存在すると考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 50; no. 9; pp. 645 - 650
Main Authors 春日, 健作, 西澤, 正豊, 池内, 健, 矢島, 隆二, 佐藤, 朋江
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2010
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.50.645

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Summary:症例は76歳の男性である.両眼の開眼失行で発症し,脳幹,頸髄,腰仙髄の各レベルで上位・下位運動ニューロン障害を呈し,針筋電図検査では神経原性変化をみとめた.さらに前頭葉機能低下が前景に立つ認知機能低下と,特徴的な失語症をともなっていた.頭部MRIで両側前頭側頭葉の萎縮をみとめ,99mTc ECD SPECTでも同部の血流が低下していた.筋萎縮性側索硬化症/前頭側頭葉変性症に開眼失行をともなう比較的均一な病像を呈する一群がまれながら存在すると考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.50.645