腹腔鏡下胆嚢摘出術時の胆管損傷に対する開腹下胆管端々吻合術の経験

腹腔鏡下脂嚢摘出術における胆管損傷に対して,胆管端々吻合術を施行し得た症例を経験したので報告した. 症例1は51歳,女性.術中胆管損傷に気付かずに術後に黄疸が出現し,胆管の閉塞を認めたため胆管端々吻合術を施行したが,術後4カ月目に胆管の閉塞をきたした.再々手術ではあったが胆管の閉塞範囲は1 c m 以内であり, 胆管端々吻合術を施行した. スプリントチューブは9カ月間留置した. 症例2は28歳女性.カローの三角を剥離中に出血をきたし,盲目的にクリップを掛けたため右肝動脈のみならず胆管にも一部クリッピングされた.胆管の閉塞範囲は2cmであったが, 若年者であったため胆管端々吻合術を施行した. ス...

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Published in胆道 Vol. 11; no. 5; pp. 455 - 461
Main Authors 木下, 壽文, 佐島, 秀一, 今山, 裕康, 蓮田, 啓, 原, 雅雄, 中山, 和道, 福田, 秀一, 斎藤, 如由
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 1997
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.11.5_455

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Summary:腹腔鏡下脂嚢摘出術における胆管損傷に対して,胆管端々吻合術を施行し得た症例を経験したので報告した. 症例1は51歳,女性.術中胆管損傷に気付かずに術後に黄疸が出現し,胆管の閉塞を認めたため胆管端々吻合術を施行したが,術後4カ月目に胆管の閉塞をきたした.再々手術ではあったが胆管の閉塞範囲は1 c m 以内であり, 胆管端々吻合術を施行した. スプリントチューブは9カ月間留置した. 症例2は28歳女性.カローの三角を剥離中に出血をきたし,盲目的にクリップを掛けたため右肝動脈のみならず胆管にも一部クリッピングされた.胆管の閉塞範囲は2cmであったが, 若年者であったため胆管端々吻合術を施行した. スプリントチューブは7 カ月間留置した. 胆管損傷の治療法としては,乳頭括約筋機能が温存される胆管端々吻合術を第一選択とすべきであり,スプリントチューブは最低6カ月間は留置すべきである.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.11.5_455