乳癌肝転移に対するカペシタビンおよびシクロフォスファミドの長期化学療法が原因と思われる遅発性白質脳症を生じた1例
症例は55歳女性である.3年4カ月前より乳癌肝転移のためカペシタビンによる化学療法を受け,10カ月前よりシクロフォスファミドを併用していた.意識レベル低下のため入院.入院後,上記薬剤投与は中止した.頭部MRIで脳幹,中小脳脚,左脳梁膨大部,両側の基底核,視床,放線冠および頭頂葉皮質下白質にT2強調画像およびFLAIR画像で高信号を示す多発性病変をみとめた.上記薬剤投与中止後12日目より意識障害は改善し,3週間後よりMRI所見は消退傾向を示した.上記薬剤が原因と思われる遅発性白質脳症のまれな1例と考えられた....
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Published in | 臨床神経学 Vol. 52; no. 4; pp. 251 - 256 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2012
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.52.251 |
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Summary: | 症例は55歳女性である.3年4カ月前より乳癌肝転移のためカペシタビンによる化学療法を受け,10カ月前よりシクロフォスファミドを併用していた.意識レベル低下のため入院.入院後,上記薬剤投与は中止した.頭部MRIで脳幹,中小脳脚,左脳梁膨大部,両側の基底核,視床,放線冠および頭頂葉皮質下白質にT2強調画像およびFLAIR画像で高信号を示す多発性病変をみとめた.上記薬剤投与中止後12日目より意識障害は改善し,3週間後よりMRI所見は消退傾向を示した.上記薬剤が原因と思われる遅発性白質脳症のまれな1例と考えられた. |
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ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.52.251 |