反復する視覚異常と頭痛で発症し,髄液抗GluRε2抗体を呈した後頭葉てんかんの1例

症例は78歳男性である.眼周囲・前頭部の頭痛が出現した後に,右後頭葉を発作焦点として,視覚異常発作,幻視,左同名半盲を示す単純部分発作重積を呈し,発作重積後に一過性の尿閉をみとめた.頭部MRIでは右後頭葉に限局して浮腫性病変をみとめた.同部はSPECT(ECD)では血流増加,SPECT(123I-BZ)では集積低下を示した.発作時の脳波検査では右後頭葉中心に発作波をみとめた.ステロイド治療が著効し,約2カ月の経過で改善した.髄液抗GluRε2抗体陽性であり,免疫介在性限局性脳炎の可能性が考えられた....

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Published in臨床神経学 Vol. 51; no. 7; pp. 505 - 509
Main Authors 大江, 康子, 中里, 良彦, 大熊, 彩, 高橋, 幸利, 荒木, 信夫, 田村, 直俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2011
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.51.505

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Summary:症例は78歳男性である.眼周囲・前頭部の頭痛が出現した後に,右後頭葉を発作焦点として,視覚異常発作,幻視,左同名半盲を示す単純部分発作重積を呈し,発作重積後に一過性の尿閉をみとめた.頭部MRIでは右後頭葉に限局して浮腫性病変をみとめた.同部はSPECT(ECD)では血流増加,SPECT(123I-BZ)では集積低下を示した.発作時の脳波検査では右後頭葉中心に発作波をみとめた.ステロイド治療が著効し,約2カ月の経過で改善した.髄液抗GluRε2抗体陽性であり,免疫介在性限局性脳炎の可能性が考えられた.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.51.505