シリコンナノピンセットとマイクロ流体デバイスによるDNA放射線損傷のリアルタイム測定

放射線癌治療をより効果的にするため,放射線によるDNA損傷の機構の解明が必要である.本研究ではMEMS ピンセットを道具として,X線が与えるDNA損傷を実時間で測定することを可能にした.DNA分子束を捕獲したMEMSピンセットの共振周波数を測り,DNA分子束の硬さを判別できる.DNA分子の損傷はその硬さに影響するため,分子束の硬さの変化は損傷の進行程度を示す.また,リアルにより近づくために,マイクロ流体デバイスを用い,X線によるDNA束の損傷を水中で測定できた.本研究はDNA損傷測定の新手法であり,放射線治療を改善する可能がある....

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Published in生産研究 Vol. 66; no. 3; pp. 285 - 290
Main Authors コラール, ドミニク, 榎本, 敦, ラフィト, ニコラ, ジャラベール, ロラン, 久米村, 百子, 宮川, 清, 藤田, 博之, 江, 柏村, ペレト, グレグア
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 東京大学生産技術研究所 2014
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ISSN0037-105X
1881-2058
DOI10.11188/seisankenkyu.66.285

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Summary:放射線癌治療をより効果的にするため,放射線によるDNA損傷の機構の解明が必要である.本研究ではMEMS ピンセットを道具として,X線が与えるDNA損傷を実時間で測定することを可能にした.DNA分子束を捕獲したMEMSピンセットの共振周波数を測り,DNA分子束の硬さを判別できる.DNA分子の損傷はその硬さに影響するため,分子束の硬さの変化は損傷の進行程度を示す.また,リアルにより近づくために,マイクロ流体デバイスを用い,X線によるDNA束の損傷を水中で測定できた.本研究はDNA損傷測定の新手法であり,放射線治療を改善する可能がある.
ISSN:0037-105X
1881-2058
DOI:10.11188/seisankenkyu.66.285