中堅教員を対象とした「情報化に対応した教育」導入指導における提示内容の検討

中堅教員を対象に,「情報化に対応した教育」の研修を大人数講義形式で実施し,その提示内容と指導効果との関連を対象者の属性を考慮して検討した.その結果,中堅教員は「情報化に対応した教育」について,概論的な知識は既に持っているが,「情報教育」についての理解は十分でない現状が明らかになった.そして,「情報教育」を正しく理解させるには,情報活用能力を育成する目的やその能力が活きる場面を明示すること,「情報処理教育」や「教育の情報化」などとの違いを整理して示すことが有効であることが分かった.さらに,(1)問題解決力の育成に意図的,計画的な指導が必要だという認識を持って,(2)指導計画中に問題解決方法を子ど...

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Published in日本教育工学雑誌 Vol. 27; no. 1; pp. 23 - 36
Main Authors 石井, 奈津子, 松田, 稔樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 01.06.2003
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ISSN0385-5236
2432-6038
DOI10.15077/jmet.27.1_23

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Summary:中堅教員を対象に,「情報化に対応した教育」の研修を大人数講義形式で実施し,その提示内容と指導効果との関連を対象者の属性を考慮して検討した.その結果,中堅教員は「情報化に対応した教育」について,概論的な知識は既に持っているが,「情報教育」についての理解は十分でない現状が明らかになった.そして,「情報教育」を正しく理解させるには,情報活用能力を育成する目的やその能力が活きる場面を明示すること,「情報処理教育」や「教育の情報化」などとの違いを整理して示すことが有効であることが分かった.さらに,(1)問題解決力の育成に意図的,計画的な指導が必要だという認識を持って,(2)指導計画中に問題解決方法を子どもたちに考えさせる場面を設ける必要があることを受容できると,教科教育と情報教育とを統合した授業のイメージが形成されやすいこと,そして,(1)を受容できるかどうかは学校段階や教科と関連するという示唆を得た.
ISSN:0385-5236
2432-6038
DOI:10.15077/jmet.27.1_23