自動車フロントガラス用ポリビニルブチラール中間膜廃材を利用した高膨潤性オルガノゲルの調製

自動車フロントガラスに使用されているポリビニルブチラール(PVB)中間膜廃材を出発原料として,ピロメリット酸,フタル酸,あるいはトリメリット酸などの無水物を用いて架橋あるいは化学修飾したPVBゲルを調製した.得られたPVBゲルはN,N-ジメチルホルムアミド,メタノールなど12~15程度の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で高膨潤性を示した.その膨潤度はピロメリット酸二無水物(PMDA)とトリメリット酸無水物を用いて調製したPVBゲルが最も高く,次いでPMDAとフタル酸無水物を用いた系,PMDAのみを用いた系の順に膨潤度が低くなることがわかった.PVBゲルを調製するために添加した塩基触媒である...

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Published in高分子論文集 Vol. 72; no. 12; pp. 726 - 730
Main Authors 刈込, 道徳, 大崎, 佳幸, 佐藤, 葉子, 大渕, 啓矢, 木村, 隆夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2015
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2015-0025

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Summary:自動車フロントガラスに使用されているポリビニルブチラール(PVB)中間膜廃材を出発原料として,ピロメリット酸,フタル酸,あるいはトリメリット酸などの無水物を用いて架橋あるいは化学修飾したPVBゲルを調製した.得られたPVBゲルはN,N-ジメチルホルムアミド,メタノールなど12~15程度の溶解度パラメーターを有する有機溶媒中で高膨潤性を示した.その膨潤度はピロメリット酸二無水物(PMDA)とトリメリット酸無水物を用いて調製したPVBゲルが最も高く,次いでPMDAとフタル酸無水物を用いた系,PMDAのみを用いた系の順に膨潤度が低くなることがわかった.PVBゲルを調製するために添加した塩基触媒であるトリエチルアミンの影響で,ゲル中のカルボキシ基がイオン化することにより膨潤し,その膨潤度はカルボキシ基の導入量の増加に伴い高くなることがわかった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2015-0025