Enterococcus faecalis FK-23加熱製剤投与によるトラフグおよびヒラメへのワクチン接種効果の向上
腸球菌Enterococcus faecalis FK-23加熱死菌体(FK-23)添加配合飼料を給餌し,ワクチンを接種した時のトラフグおよびヒラメの特異免疫能向上について検討した。FK-23添加濃度を0~1.25%の5段階に調節した配合飼料を用意した。ワクチンとしてVibrio anguillarumホルマリン不活化菌体を2度接種し,1度目の接種後から毎週血清を採取し,血清中抗体のV. anguillarum細胞への凝集能を観察した。トラフグでは,1.25%添加飼料給餌区で凝集能が最も上昇したが,成長しなかった。ヒラメでは抗体価の上昇を確認できなかった。特に0.01%以上では上昇せず,特異的...
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Published in | 水産増殖 Vol. 56; no. 3; pp. 375 - 382 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
日本水産増殖学会
2008
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0371-4217 2185-0194 |
DOI | 10.11233/aquaculturesci.56.375 |
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Summary: | 腸球菌Enterococcus faecalis FK-23加熱死菌体(FK-23)添加配合飼料を給餌し,ワクチンを接種した時のトラフグおよびヒラメの特異免疫能向上について検討した。FK-23添加濃度を0~1.25%の5段階に調節した配合飼料を用意した。ワクチンとしてVibrio anguillarumホルマリン不活化菌体を2度接種し,1度目の接種後から毎週血清を採取し,血清中抗体のV. anguillarum細胞への凝集能を観察した。トラフグでは,1.25%添加飼料給餌区で凝集能が最も上昇したが,成長しなかった。ヒラメでは抗体価の上昇を確認できなかった。特に0.01%以上では上昇せず,特異的免疫能よりも非特異的免疫能が活性化されたために起こった現象であると考えられた。以上より,FK-23添加飼料給餌はワクチン効果の上昇とその持続を可能にするが,非特異的免疫能の活性化も示唆された。 |
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ISSN: | 0371-4217 2185-0194 |
DOI: | 10.11233/aquaculturesci.56.375 |