小学校における不審者から児童を守る避難方向指示システムの開発

近年,不審者が小学校に侵入し,児童に危害を加えるという事件が発生しており,学校施設においても防犯を考慮した体制作りが必要となっている.そこで小学校に不審者が侵入した際に,児童を安全に避難させるための避難方向指示システムの検討およびプロトタイプの実装を行った.一般的に,避難システムの評価は多数の人々が参加する大規模な実験が必要であるため,実施が困難であり,システム実装にあたっての方針を決定することが難しかった.そこで,児童や不審者の動きをモデル化し,シミュレータ上にて避難実験を行った.シミュレーションの結果では,小学校において無差別殺傷型の不審者から逃げるためには,リアルタイムで不審者の位置を測...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 31; no. 2; pp. 153 - 163
Main Authors 小池, 竜一, 中谷, 直司, 厚井, 裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 20.10.2007
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Summary:近年,不審者が小学校に侵入し,児童に危害を加えるという事件が発生しており,学校施設においても防犯を考慮した体制作りが必要となっている.そこで小学校に不審者が侵入した際に,児童を安全に避難させるための避難方向指示システムの検討およびプロトタイプの実装を行った.一般的に,避難システムの評価は多数の人々が参加する大規模な実験が必要であるため,実施が困難であり,システム実装にあたっての方針を決定することが難しかった.そこで,児童や不審者の動きをモデル化し,シミュレータ上にて避難実験を行った.シミュレーションの結果では,小学校において無差別殺傷型の不審者から逃げるためには,リアルタイムで不審者の位置を測定するよりも,初期の段階で不審者の位置を正確に測定することが重要であることが明らかになり,システムが既存技術において容易に実装可能であることが分かった.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.KJ00004964271