木造家屋の耐震補強実施に関する判断要因の構造化とそれに基づく施策インパクトの定量的評価手法の提案

本論文は、木造住宅の耐震化率向上に関する地方自治体の政策立案を支援するための手法を提案することを目的として、次の三点を実施した。第一に、家主が耐震補強工事を実施するか否かを判断する心理的要因を包括的に整理・構造化した。第二に、この構造を踏まえて、ある集団内における耐震補強意思の強さの分布が変化するメカニズムを説明できる枠組みを提案した。これにより、どのような方向性を持った政策を組み合わせることが政策目標に最も寄与するかを分析することが可能になった。第三に、それぞれの方向性をもった政策を、どのようなターゲット層を意識しながら具体化することが最も効率的であるかを示した。以上のプロセスを各自治体で行...

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Published in社会技術研究論文集 Vol. 7; pp. 232 - 246
Main Authors 森田, 絵里, 斉藤, 大樹, 那須, 清吾, 山口, 修由, 中川, 善典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社会技術研究会 2010
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ISSN1349-0184
1882-4609
DOI10.3392/sociotechnica.7.232

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Summary:本論文は、木造住宅の耐震化率向上に関する地方自治体の政策立案を支援するための手法を提案することを目的として、次の三点を実施した。第一に、家主が耐震補強工事を実施するか否かを判断する心理的要因を包括的に整理・構造化した。第二に、この構造を踏まえて、ある集団内における耐震補強意思の強さの分布が変化するメカニズムを説明できる枠組みを提案した。これにより、どのような方向性を持った政策を組み合わせることが政策目標に最も寄与するかを分析することが可能になった。第三に、それぞれの方向性をもった政策を、どのようなターゲット層を意識しながら具体化することが最も効率的であるかを示した。以上のプロセスを各自治体で行うことにより、その自治体に適した政策立案が可能になることが期待できる。
ISSN:1349-0184
1882-4609
DOI:10.3392/sociotechnica.7.232