進行胆嚢癌にて膵頭十二指腸切除施行5年後に発生した肝内結石症の1例

進行胆嚢癌(Stage IVa)に対して行った膵頭十二指腸切除術施行5年後に,良性胆管空腸吻合部狭窄により発生した肝内結石症を経験した. 症例は6 7 歳, 女性. 平成4 年Stage IVa胆嚢癌に対して,肝床切除兼膵頭十二指腸切除術,今永I法再建を施行.その後CA19-9の軽度の高値を持続的に認め,再発を疑い検査を施行していたが,再発所見は認めなかった.今回,胆管炎症状を認めたため,精査目的に入院.MRCPにて肝内胆管の拡張と多発する結石像を認め,PTCDを施行した.胆道鏡下に切石し,切石終了後に吻合部を確認すると吻合部は3mm大で胆道鏡は通過せず,同部位を胆道拡張バルーンにて段階的に拡...

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Published in胆道 Vol. 14; no. 2; pp. 147 - 153
Main Authors 神保, 康子, 長谷川, 茂, 三浦, 弘岡, 菅沼, 正司, 今津, 浩喜, 松原, 俊樹, 桜井, 洋一, 落合, 正宏, 船曵, 孝彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2000
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Summary:進行胆嚢癌(Stage IVa)に対して行った膵頭十二指腸切除術施行5年後に,良性胆管空腸吻合部狭窄により発生した肝内結石症を経験した. 症例は6 7 歳, 女性. 平成4 年Stage IVa胆嚢癌に対して,肝床切除兼膵頭十二指腸切除術,今永I法再建を施行.その後CA19-9の軽度の高値を持続的に認め,再発を疑い検査を施行していたが,再発所見は認めなかった.今回,胆管炎症状を認めたため,精査目的に入院.MRCPにて肝内胆管の拡張と多発する結石像を認め,PTCDを施行した.胆道鏡下に切石し,切石終了後に吻合部を確認すると吻合部は3mm大で胆道鏡は通過せず,同部位を胆道拡張バルーンにて段階的に拡張術を行った.拡張前後の生検では,癌細胞は認めなかった.再狭窄防止のため,ネラトンカテーテル24Frをステントとして留置し,約6カ月後に抜表した.抜去後約2年6カ月経過したが,再狭窄の所見は認めていない.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.14.2_147