可溶性IL-2受容体値が疾患活動性と相関した神経Sweet病の1例

症例は76歳の男性である.発熱,意識障害で入院した.髄液検査で単核球優位の細胞増多,蛋白上昇をみとめたが,感染症,膠原病,悪性疾患はみとめなかった.頭部MRIで斜台,頸椎に過形成性骨髄をみとめ,骨髄血でT細胞受容体遺伝子再構成をみとめた.血中可溶性IL-2受容体(sIL-2R),MPO-ANCAが高値であった.経過中に両下肢の紅斑が出現し,皮膚生検,HLAタイピングから神経Sweet病と診断した.ステロイドが著効したが,漸減中に再発し,シクロスポリンの併用で軽快した.治療後にsIL-2R,MPO-ANCAは正常化し,頭部MRI上の斜台の骨髄過形成の所見も改善した....

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 11; pp. 876 - 881
Main Authors 道具, 伸浩, 田口, 芳治, 田中, 耕太郎, 高嶋, 修太郎, 温井, 孝昌, 小西, 宏史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.876

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Summary:症例は76歳の男性である.発熱,意識障害で入院した.髄液検査で単核球優位の細胞増多,蛋白上昇をみとめたが,感染症,膠原病,悪性疾患はみとめなかった.頭部MRIで斜台,頸椎に過形成性骨髄をみとめ,骨髄血でT細胞受容体遺伝子再構成をみとめた.血中可溶性IL-2受容体(sIL-2R),MPO-ANCAが高値であった.経過中に両下肢の紅斑が出現し,皮膚生検,HLAタイピングから神経Sweet病と診断した.ステロイドが著効したが,漸減中に再発し,シクロスポリンの併用で軽快した.治療後にsIL-2R,MPO-ANCAは正常化し,頭部MRI上の斜台の骨髄過形成の所見も改善した.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.876