Filiform polyposisを伴った潰瘍性大腸炎の2切除例
Filiform polyposisを伴った潰瘍性大腸の2切除例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例1は25歳,男性.1年間の潰瘍性大腸炎の治療中に貧血,低栄養が遷延し,次第に体動時の息切れを認め,緊急入院となった.大腸内視鏡検査で盲腸から横行結腸,およびS状結腸に広範なinflammatory polyposisを認めた.通過障害を伴い,内科治療で改善せず,大腸全摘術を施行した.症例2は54歳,女性.13年間の潰瘍性大腸炎の治療経過中に再燃と寛解を繰り返していた.腹痛,下痢,血便が増悪したため,緊急入院となった.大腸内視鏡検査で盲腸から横行結腸にinflammatory po...
Saved in:
Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 74; no. 8; pp. 482 - 490 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2021
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0047-1801 1882-9619 |
DOI | 10.3862/jcoloproctology.74.482 |
Cover
Summary: | Filiform polyposisを伴った潰瘍性大腸の2切除例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.症例1は25歳,男性.1年間の潰瘍性大腸炎の治療中に貧血,低栄養が遷延し,次第に体動時の息切れを認め,緊急入院となった.大腸内視鏡検査で盲腸から横行結腸,およびS状結腸に広範なinflammatory polyposisを認めた.通過障害を伴い,内科治療で改善せず,大腸全摘術を施行した.症例2は54歳,女性.13年間の潰瘍性大腸炎の治療経過中に再燃と寛解を繰り返していた.腹痛,下痢,血便が増悪したため,緊急入院となった.大腸内視鏡検査で盲腸から横行結腸にinflammatory polyposisによる腸管狭窄を認めた.内科治療で改善せず,結腸亜全摘術を施行した.病理では,いずれも血管拡張と粘膜下層の線維筋増生を認め,filiform polyposisと診断した. |
---|---|
ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.74.482 |