ラットデキストラン硫酸誘発潰瘍性大腸炎モデルに対するSodium ferrous citrateの抗炎症効果

われわれはin vitroにおいてクエン酸第一鉄 (SFC) の好中球機能に及ぼす影響について検討し, SFCが活性酸素産生能, 遊走能など好中球機能を抑制することにより抗炎症効果を発揮することを示している. 今回5%デキストラン硫酸ナトリウム (DSS) 溶液を用いたラットの潰瘍性大腸炎 (UC) モデルを用いてin vivoにおけるSFCの抗炎症効果について検討した. DSS投与群には5%DSS溶液を10日間摂取させた. 一方, SFC+DSS投与群には, DSS投与3日前からSFCを経口投与 (2mg/body) し, その後, DSSとともに10日間SFCを投与した. その結果, DS...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 60; no. 1; pp. 1 - 7
Main Authors 華, 見, 落合, 匠, 前多, 力, 坂本, 一博, 北村, 大介, 鎌野, 俊紀, 笠巻, 伸二, 北島, 政幸, 長岡, 功, 秦, 政輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2007
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.60.1

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Summary:われわれはin vitroにおいてクエン酸第一鉄 (SFC) の好中球機能に及ぼす影響について検討し, SFCが活性酸素産生能, 遊走能など好中球機能を抑制することにより抗炎症効果を発揮することを示している. 今回5%デキストラン硫酸ナトリウム (DSS) 溶液を用いたラットの潰瘍性大腸炎 (UC) モデルを用いてin vivoにおけるSFCの抗炎症効果について検討した. DSS投与群には5%DSS溶液を10日間摂取させた. 一方, SFC+DSS投与群には, DSS投与3日前からSFCを経口投与 (2mg/body) し, その後, DSSとともに10日間SFCを投与した. その結果, DSS投与群では有意な白血球数増大が認められたのに対し, SFC+DSS投与群では白血球数増大が有意に抑制された. また, DSS投与群において有意に大腸の長径が短縮したのに対し, SFC+DSS投与群では短縮が有意に改善された. さらに, DSS投与群に対し, SFC+DSS投与群では有意にびらん面積が縮小した. 以上の結果より, ラットの潰瘍性大腸炎モデルにおいてSFCは抗炎症効果を発揮する可能性が示唆された.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.60.1