Expandable Metallic Stent(EMS)を用いた経皮経空腸的胆道内瘻術の1例

症例は61歳,女性.閉塞性黄疸とイレウスで入院.肝門部胆管癌術後再発と腹膜播種によるインウスと診断.イレウスは解除術で軽快したが,再発腫瘤は切除不能であり,EMSによる胆道内瘻術を施行した.4本の吻合胆管すべてが狭窄していたため,経皮経肝的アプローチでは最低で同数のPTCDが必要であり,穿刺による侵襲と肝血管損傷の合併症を考慮し,ひとつのアクセスからすべての吻合胆管にEMS留置可能な経皮経空腸的留置術を施行した.手技および経過中に合併症は認めず,約3カ月後の死亡まで黄疸再発はなかった.本法は胆管空腸吻合部狭窄に対して有用なアクセスルートと考えられた....

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Published in胆道 Vol. 15; no. 1; pp. 54 - 58
Main Authors 古市, 欣也, 吉岡, 哲也, 打田, 日出夫, 山本, 孝信, 穴井, 洋, 末吉, 智, 久永, 倫聖, 中島, 祥介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2001
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Summary:症例は61歳,女性.閉塞性黄疸とイレウスで入院.肝門部胆管癌術後再発と腹膜播種によるインウスと診断.イレウスは解除術で軽快したが,再発腫瘤は切除不能であり,EMSによる胆道内瘻術を施行した.4本の吻合胆管すべてが狭窄していたため,経皮経肝的アプローチでは最低で同数のPTCDが必要であり,穿刺による侵襲と肝血管損傷の合併症を考慮し,ひとつのアクセスからすべての吻合胆管にEMS留置可能な経皮経空腸的留置術を施行した.手技および経過中に合併症は認めず,約3カ月後の死亡まで黄疸再発はなかった.本法は胆管空腸吻合部狭窄に対して有用なアクセスルートと考えられた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.15.1_54