患者教育と運動療法を中心とした介入が奏功した 慢性緊張型頭痛の1 症例

要旨 慢性緊張型頭痛に対し,運動療法や徒手療法,あるいは患者教育との組み合わせが効果的であることが知られているが,患者特性を考慮した介入効果の報告は少ない.本報告では,徒手療法を主とした受動的な介入効果が不十分であったが,運動療法と患者教育を主とした能動的な介入が奏効した不安症状の強い慢性緊張型頭痛症例の考察を行い,患者特性に応じた理学療法介入の有効性を検討した.結果,頭痛に対する不安が強い患者には,患者教育により疼痛に対する捉え方や適切な症状理解と対処行動の形成を促し,自主練習として習慣化できるような運動を実施することが有効となり得る可能性が示唆された....

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Published in保健医療学雑誌 Vol. 12; no. 1; pp. 68 - 74
Main Authors 壹岐, 伸弥, 川口, 琢也, 中川, 幸太郎, 新田, 麻美, 石垣, 智也, 西上, 智彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 保健医療学学会 01.04.2021
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ISSN2185-0399
DOI10.15563/jalliedhealthsci.12.68

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Summary:要旨 慢性緊張型頭痛に対し,運動療法や徒手療法,あるいは患者教育との組み合わせが効果的であることが知られているが,患者特性を考慮した介入効果の報告は少ない.本報告では,徒手療法を主とした受動的な介入効果が不十分であったが,運動療法と患者教育を主とした能動的な介入が奏効した不安症状の強い慢性緊張型頭痛症例の考察を行い,患者特性に応じた理学療法介入の有効性を検討した.結果,頭痛に対する不安が強い患者には,患者教育により疼痛に対する捉え方や適切な症状理解と対処行動の形成を促し,自主練習として習慣化できるような運動を実施することが有効となり得る可能性が示唆された.
ISSN:2185-0399
DOI:10.15563/jalliedhealthsci.12.68