長期透析患者における異所性石灰化を伴う変形性股関節症の1例

47歳女性で1978年より長期透析中の患者で骨盤腔内の異所性石灰化と股関節の急速な破壊が同時期に生じた1例を経験したので報告する. 骨盤腔内の異所性石灰化と股関節は被膜1枚にて隔てられ両者は隣接していた. また人工関節置換術後, 骨盤腔内腫瘤状石灰化は縮小傾向にあることなどより, 急速破壊型変股症と異所性石灰化の発症原因は全く異なるものであるが, その誘因として両者の間に何らかの関与が示唆れた. 長期透析患者において異所性石灰化はしばしば合併することが知られているが1)2), それが腫瘤状に大きくなることは比較的少ない. その誘因については副甲状腺機能亢進症, Ca, Pの代謝異常などが報告さ...

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Published in医療 Vol. 52; no. 1; pp. 40 - 43
Main Authors 角光, 宏, 園畑, 素樹, 藤田, 雅章, 稲富, 健司朗, 前田, 公, 本川, 哲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1998
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.52.40

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Summary:47歳女性で1978年より長期透析中の患者で骨盤腔内の異所性石灰化と股関節の急速な破壊が同時期に生じた1例を経験したので報告する. 骨盤腔内の異所性石灰化と股関節は被膜1枚にて隔てられ両者は隣接していた. また人工関節置換術後, 骨盤腔内腫瘤状石灰化は縮小傾向にあることなどより, 急速破壊型変股症と異所性石灰化の発症原因は全く異なるものであるが, その誘因として両者の間に何らかの関与が示唆れた. 長期透析患者において異所性石灰化はしばしば合併することが知られているが1)2), それが腫瘤状に大きくなることは比較的少ない. その誘因については副甲状腺機能亢進症, Ca, Pの代謝異常などが報告されているが, なお不明な点が多い.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.52.40