胆管結紮ラットでのタウロウルソデオキシコール酸ICGおよびBSPの胆汁中排泄の検討

• Published in: 胆道 Vol. 19; no. 1; pp. 28 - 32
• Main Authors: 三神, 昌樹, 明石, 雅博, 長町, 由紀子, 佐野, 直代, 笹本, 貴広, 高柳, もとえ, 相磯, 光彦, 高森, 頼雪, 上垣, 佐登子, 田中, 篤, 栗原, 裕子, 滝川, 一
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本胆道学会 2005
• Subjects: BSP; ICG; タウロウルソデオキシコール酸; 胆汁中排泄; 胆管結紮ラット
• ISSN: 0914-0077; 1883-6879
• DOI: 10.11210/tando1987.19.1_28

閉塞性黄疸では, 各種肝トランスポーターが減少し, Mrp2やBsepの機能が低下すると考えられている.今回, 閉塞性黄疸時の肝指向性物質の胆汁中排泄の検討のため, Bsepの基質であるタウロウルソデオキシコール酸(TUDC)とMrp2の基質であるBSP, およびICGの胆汁中最大排泄量(Tm)を3日間の胆管結紮(BDL)ラットで検討した.TUDCおよびICGのTmはBDLラットで, それぞれ対照の53%と40%に低下した. BSPのTmはBDLラットで対照の13%に低下し, TUDC同時投与により44%まで改善した.TUDCのTmの減少は, Bsepの基質であるタウロコール酸ほど顕著でなく, TUDCに特異的なBsepの毛細胆管膜への小胞輸送の亢進のためと考えられた. TUDC同時投与によりBDLで低下したBSPのTmの改善は, TUDCによるMrp2機能の部分的回復によるものと考えられた.