通常型パピロトームによる膵管からの乳頭プレカット

内視鏡的胆管ドレナージが必要であるにもかかわらず,ERCP時に胆管造影あるいは胆管深部カニュレーションができなかった症例18例に対して,膵管からの乳頭プレカットを施行した,手技としては,膵管口に通常型パピロトームを挿入して中切開程度の切開を加え,細径カニューラで胆管開口部への挿管を試みた.18例中,16例(うち当日12例,再検時4例)においてプレカット後に胆管への深部カニュレーションが可能となり,目的とする胆管ドレナージを施行しえた.4例で一過性の高アミラーゼ血症を認めたが,臨床的な急性膵炎や,出血,穿孔といった重篤な偶発症は認めなかった.本法の利点は,通常の内視鏡的乳頭括約筋切開術と同様の手...

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Published in胆道 Vol. 18; no. 1; pp. 23 - 28
Main Authors 工藤, 正俊, 水野, 成人, 本庶, 元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2004
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ISSN0914-0077
1883-6879
DOI10.11210/tando1987.18.1_23

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Summary:内視鏡的胆管ドレナージが必要であるにもかかわらず,ERCP時に胆管造影あるいは胆管深部カニュレーションができなかった症例18例に対して,膵管からの乳頭プレカットを施行した,手技としては,膵管口に通常型パピロトームを挿入して中切開程度の切開を加え,細径カニューラで胆管開口部への挿管を試みた.18例中,16例(うち当日12例,再検時4例)においてプレカット後に胆管への深部カニュレーションが可能となり,目的とする胆管ドレナージを施行しえた.4例で一過性の高アミラーゼ血症を認めたが,臨床的な急性膵炎や,出血,穿孔といった重篤な偶発症は認めなかった.本法の利点は,通常の内視鏡的乳頭括約筋切開術と同様の手技および処置具でプレカットが施行できることであり,内視鏡的胆道処置に習熟した術者であれば,胆管深部カニュレーションが困難な場合の選択肢の1つになると思われる.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.18.1_23