痙攣と精神運動遅滞を主訴としたhypoxanthine-guanine phosphoribosyltransferase部分欠損症の1例
症例は18歳の男性である.幼少時より知的障害,12歳で注意欠陥・多動性障害を指摘され,18歳で痙攣をきたした.精神遅滞,腱反射亢進をみとめるが,不随意運動,自傷行為はない.高尿酸血症があり,赤血球hypoxanthine-guanine phosphribosyltransferase(HPRT)の部分低下(残存活性57.4%)をみとめ,HPRT遺伝子解析では,第3エクソンで,1塩基置換(c.179A>G)をみとめ,60番目アミノ酸のミスセンス変異(p.H60R)が同定された.母親はヘテロ接合体で保因者であった.HPRT残存活性が比較的高値を示したHPRT部分欠損症と診断した....
Saved in:
Published in | 臨床神経学 Vol. 54; no. 11; pp. 892 - 896 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経学会
2014
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0009-918X 1882-0654 |
DOI | 10.5692/clinicalneurol.54.892 |
Cover
Loading…
Summary: | 症例は18歳の男性である.幼少時より知的障害,12歳で注意欠陥・多動性障害を指摘され,18歳で痙攣をきたした.精神遅滞,腱反射亢進をみとめるが,不随意運動,自傷行為はない.高尿酸血症があり,赤血球hypoxanthine-guanine phosphribosyltransferase(HPRT)の部分低下(残存活性57.4%)をみとめ,HPRT遺伝子解析では,第3エクソンで,1塩基置換(c.179A>G)をみとめ,60番目アミノ酸のミスセンス変異(p.H60R)が同定された.母親はヘテロ接合体で保因者であった.HPRT残存活性が比較的高値を示したHPRT部分欠損症と診断した. |
---|---|
ISSN: | 0009-918X 1882-0654 |
DOI: | 10.5692/clinicalneurol.54.892 |