腹腔鏡下側方郭清術後に生じた難治性リンパ嚢腫に対し,鼠径リンパ節アプローチによるリンパ管塞栓術が奏効した1例

67歳女性.下部直腸癌に対して腹腔鏡下ハルトマン術および両側側方郭清術を施行.経過良好で術後9日目に退院.しかし,退院後約1ヵ月で右下腹部痛を主訴に来院.腹部CTで右側骨盤内に液体貯留を認め術後リンパ嚢腫と診断.経皮的ドレナージ術に加えてミノサイクリン,OK-432(ピシバニール)による硬化療法を試みたが改善せず.そこで右鼠径リンパ節アプローチでリピオドールを用いたリンパ管塞栓術を施行したところ翌日よりドレーン排液が減少し術後2日で退院となった.直腸癌に対する腹腔鏡下側方郭清術後の難治性リンパ嚢腫に対して経皮的リンパ管塞栓術を施行し治癒しえた症例を経験したため文献的考察を含め報告する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 72; no. 5; pp. 205 - 209
Main Authors 武田, 崇志, 鈴木, 研裕, 大東, 誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2019
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:67歳女性.下部直腸癌に対して腹腔鏡下ハルトマン術および両側側方郭清術を施行.経過良好で術後9日目に退院.しかし,退院後約1ヵ月で右下腹部痛を主訴に来院.腹部CTで右側骨盤内に液体貯留を認め術後リンパ嚢腫と診断.経皮的ドレナージ術に加えてミノサイクリン,OK-432(ピシバニール)による硬化療法を試みたが改善せず.そこで右鼠径リンパ節アプローチでリピオドールを用いたリンパ管塞栓術を施行したところ翌日よりドレーン排液が減少し術後2日で退院となった.直腸癌に対する腹腔鏡下側方郭清術後の難治性リンパ嚢腫に対して経皮的リンパ管塞栓術を施行し治癒しえた症例を経験したため文献的考察を含め報告する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.72.205