髄芽腫,甲状腺癌,デスモイド腫瘍を合併した家族性大腸腺腫症:Turcot症候群の1例
APC遺伝子変異を有する大腸腺腫症に脳腫瘍を合併するものはTurcot症候群のtype2に分類される.今回われわれは,甲状腺癌とデスモイド腫瘍を合併した稀なTurcot症候群type2の1例を経験したので報告する.症例は,母方祖父と母が家族性大腸腺腫症と診断され,幼少期より経過観察対象であった.12歳時に小脳髄芽腫に対して開頭腫瘍摘出術施行後,化学放射線療法を行った.13歳より毎年,下部消化管内視鏡検査を施行,全大腸に数mm大のポリープを数百個認めていた.26歳時に腹腔鏡下大腸全摘術,J型回腸嚢肛門管吻合を施行した.術前検査で甲状腺乳頭癌を認め,甲状腺亜全摘術を施行した.大腸全摘術後2年9ヵ月...
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Published in | 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 73; no. 7; pp. 313 - 319 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本大腸肛門病学会
2020
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Summary: | APC遺伝子変異を有する大腸腺腫症に脳腫瘍を合併するものはTurcot症候群のtype2に分類される.今回われわれは,甲状腺癌とデスモイド腫瘍を合併した稀なTurcot症候群type2の1例を経験したので報告する.症例は,母方祖父と母が家族性大腸腺腫症と診断され,幼少期より経過観察対象であった.12歳時に小脳髄芽腫に対して開頭腫瘍摘出術施行後,化学放射線療法を行った.13歳より毎年,下部消化管内視鏡検査を施行,全大腸に数mm大のポリープを数百個認めていた.26歳時に腹腔鏡下大腸全摘術,J型回腸嚢肛門管吻合を施行した.術前検査で甲状腺乳頭癌を認め,甲状腺亜全摘術を施行した.大腸全摘術後2年9ヵ月,デスモイド腫瘍が出現し,Sulindac内服中である. |
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ISSN: | 0047-1801 1882-9619 |
DOI: | 10.3862/jcoloproctology.73.313 |