孤立性肝転移を伴う局所進行直腸癌に対して術前療法後に腹腔鏡下根治手術を施行した1例

• Published in: 日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 65; no. 8; pp. 437 - 441
• Main Authors: 相原, 司, 別府, 直仁, 友松, 宗史, 木村, 文彦, 吉江, 秀範, 原, 均, 柳, 秀憲
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本大腸肛門病学会 2012
• Subjects: 同時性肝転移; 局所進行直腸癌; 術前化学療法
• ISSN: 0047-1801; 1882-9619
• DOI: 10.3862/jcoloproctology.65.437

大腸癌に対する化学療法の進歩は，ダウンステージを目的とした術前化学療法に応用され，診断時切除不能肝転移や局所進行大腸癌に対する切除適応の拡大をもたらした1,2)．さらに切除可能肝転移症例にも腫瘍の縮小，微小転移の治療などを期待して術前化学療法が行われる機会が増加している3)． 一方，手術手技に関しても腹腔鏡下手術が急速に普及しており，専門施設では直腸癌に対する腹腔鏡手術はもちろん，肝切除術にも腹腔鏡が応用されている． 今回，われわれは，肝内側区域～前区域にまたがる直径8cmの肝転移巣と，所属リンパ節腫大を伴う局所進行直腸癌に対して，術前化学療法と放射線療法を施行した後に，腹腔鏡補助下に原発巣および肝転移巣を完全切除した症例を経験したので報告する．