胆嚢癌の診断における造影エコー法の有用性の検討

胆嚢癌(25例)を対象として, 造影エコー法(Agent Detection Imaging法)の診断的意義を検討した. 撮像の時相は血管構築像(TVI), 腫瘍染影像(TPI), 肝実質像(LPI)に分けて検討した. TVIとPower Doppler(PD)法を比較すると, TVIはPD法に比べ詳細な血管構築の観察が可能となった. TPIとUSの肉眼形態を比較すると, TPIはデブリ充満による内腔の評価が困難な症例においても診断が容易となった. TPIの染影像と病理組織型(12例)を比較すると, 乳頭腺癌, 管状腺癌で染影され, 扁平上皮癌, 粘液癌では乏しかった. LPIのHinf診断能...

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Published in胆道 Vol. 19; no. 1; pp. 33 - 41
Main Authors 刑部, 恵介, 堀口, 祐爾, 今井, 英夫, 坂本, 宏司, 市野, 直浩, 西川, 徹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本胆道学会 2005
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Summary:胆嚢癌(25例)を対象として, 造影エコー法(Agent Detection Imaging法)の診断的意義を検討した. 撮像の時相は血管構築像(TVI), 腫瘍染影像(TPI), 肝実質像(LPI)に分けて検討した. TVIとPower Doppler(PD)法を比較すると, TVIはPD法に比べ詳細な血管構築の観察が可能となった. TPIとUSの肉眼形態を比較すると, TPIはデブリ充満による内腔の評価が困難な症例においても診断が容易となった. TPIの染影像と病理組織型(12例)を比較すると, 乳頭腺癌, 管状腺癌で染影され, 扁平上皮癌, 粘液癌では乏しかった. LPIのHinf診断能を病理所見と比較すると, 一致率は83%であった. 造影剤投与後120~180秒のTPIにて肥厚した壁内に帯状の不染領域を5例に認めた. 同部位の病理所見は, 漿膜下層内のび漫性癌浸潤部1例と結合織4例であり, 深達度診断の一指標となるものと思われた.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.19.1_33