S状結腸癌術後側方リンパ節転移を腹腔鏡下に切除し,長期予後を得た1例

症例は56歳女性.膀胱浸潤S状結腸癌に対して腹腔鏡下S状結腸切除,膀胱部分切除を施行した.最終診断はtype3,175×80mm,tub2,pSI(膀胱),int,INFb,ly1,v1,pN1(1/16),pPM0,pDM0,pRM0,f-stage IIIaであった.術後補助化学療法中に左側方領域リンパ節再発を認めたが,レジメン変更により縮小し,新出病変は認めなかった.そこで膀胱浸潤部からの領域リンパ節再発の可能性を考え,初回手術の11ヵ月後に腹腔鏡下に切除した.稀な再発形式だが根治の可能性があり,手術を選択した.現在,リンパ節切除から術後2年無再発生存中である.また最近,側方郭清に鏡視下...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 69; no. 3; pp. 159 - 163
Main Authors 武田, 良祝, 福長, 洋介, 長嵜, 寿矢, 上野, 雅資
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2016
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Summary:症例は56歳女性.膀胱浸潤S状結腸癌に対して腹腔鏡下S状結腸切除,膀胱部分切除を施行した.最終診断はtype3,175×80mm,tub2,pSI(膀胱),int,INFb,ly1,v1,pN1(1/16),pPM0,pDM0,pRM0,f-stage IIIaであった.術後補助化学療法中に左側方領域リンパ節再発を認めたが,レジメン変更により縮小し,新出病変は認めなかった.そこで膀胱浸潤部からの領域リンパ節再発の可能性を考え,初回手術の11ヵ月後に腹腔鏡下に切除した.稀な再発形式だが根治の可能性があり,手術を選択した.現在,リンパ節切除から術後2年無再発生存中である.また最近,側方郭清に鏡視下手術が有用という報告もあり,リンパ節再発にも適応可能と考える.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.69.159