心臓MRIによる心尖部肥厚と心電図, ベクトル心電図との関係

心尖部肥大型心筋症では左側胸部誘導で深い陰性T波 (冠性T波) をみるが, また高いR波を認めることが多い.今回は心尖部の高度の肥厚を心電図, ベクトル心電図で何処まで診断できるかを試み, 心臓MRIの所見と対比し, 心電図で10mm以上の冠性T波をみるか, 或るいは, ベクトル心電図で異常T環を伴って水平面最大QRSベクトルが+10°以上の左前方型を示す場合, 20mmを越える心尖部肥厚があると診断すると, 80%以上の感度, 特異度が得られた.また心尖部肥大型心筋症に多いベクトル心電図での左前方型では心尖部肥厚度とRV5の波高との間には高い相関関係, 寄与率があることから, この場合は心尖...

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Published in心電図 Vol. 17; no. 2; pp. 174 - 180
Main Authors 戸山, 靖一, 鈴木, 惠子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本不整脈心電学会 1997
日本心電学会
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Summary:心尖部肥大型心筋症では左側胸部誘導で深い陰性T波 (冠性T波) をみるが, また高いR波を認めることが多い.今回は心尖部の高度の肥厚を心電図, ベクトル心電図で何処まで診断できるかを試み, 心臓MRIの所見と対比し, 心電図で10mm以上の冠性T波をみるか, 或るいは, ベクトル心電図で異常T環を伴って水平面最大QRSベクトルが+10°以上の左前方型を示す場合, 20mmを越える心尖部肥厚があると診断すると, 80%以上の感度, 特異度が得られた.また心尖部肥大型心筋症に多いベクトル心電図での左前方型では心尖部肥厚度とRV5の波高との間には高い相関関係, 寄与率があることから, この場合は心尖部肥厚が他の壁よりRV5に強く反映するため, 心尖部肥大型心筋症ではRV5の波高が高くなると考えられた.
ISSN:0285-1660
1884-2437
DOI:10.5105/jse.17.174