S状結腸憩室炎に対する手術適応,術式および治療成績に関する検討

【目的】当院でのS状結腸憩室炎手術症例の臨床的特徴と手術成績を明らかにし,治療方針の再評価を行った.【方法】2009年1月から2018年2月までに経験した28例を後方視的に検討した.【成績】待機群(8例)と緊急群(20例)の検討では,待機群で全例に切除吻合術が施行され,Clavien-Dindo分類(CD)II以上の合併症を認めなかった.緊急群で14例にHartmann手術が施行され,CDII以上の合併症を5例に認めた.緊急群をHincheyI・II(11例)とIII・IV(9例)に分けた検討では,HincheyI・IIで出血量が多いが,術後合併症の発生に差を認めなかった.腹腔鏡(6例)と開腹...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 72; no. 6; pp. 381 - 387
Main Authors 長谷川, 芙美, 菊川, 利奈, 力山, 敏樹, 柿澤, 奈緒, 宮倉, 安幸, 辻仲, 眞康, 前本, 遼, 石川, 英樹, 田巻, 佐和子, 高橋, 洵, 町田, 枝里華
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2019
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.72.381

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Summary:【目的】当院でのS状結腸憩室炎手術症例の臨床的特徴と手術成績を明らかにし,治療方針の再評価を行った.【方法】2009年1月から2018年2月までに経験した28例を後方視的に検討した.【成績】待機群(8例)と緊急群(20例)の検討では,待機群で全例に切除吻合術が施行され,Clavien-Dindo分類(CD)II以上の合併症を認めなかった.緊急群で14例にHartmann手術が施行され,CDII以上の合併症を5例に認めた.緊急群をHincheyI・II(11例)とIII・IV(9例)に分けた検討では,HincheyI・IIで出血量が多いが,術後合併症の発生に差を認めなかった.腹腔鏡(6例)と開腹手術(22例)の検討では,腹腔鏡群で出血量が少なく,術後合併症の発生を認めなかった.【結語】Hinchey分類に基づいた治療方針の決定と待機的腹腔鏡手術の選択が治療成績向上のために重要である.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.72.381