頸部血管の異常蛇行と脳皮質下出血を示したMarfan症候群:FBN1遺伝子イントロン変異をみとめた症例

症例は39歳男性である.Marfan症候群と診断され,22歳で大動脈拡張と心臓弁の手術後,ワルファリン内服中に,左前頭葉皮質下出血で入院した.頭部画像検査で,皮質下出血の原因となる異常血管はみとめず,多発微小出血および異常に蛇行した頸部血管をみとめた.遺伝子解析ではフィブリリン1(FBN1)遺伝子解析で第29イントロン部-3位に1塩基置換変異をみとめた.同変異は両親にはみとめず,Marfan症候群の身体所見のある患者の次男と三男では検出され,スプライス異常をおこす病原性を示す新規突然(de novo)変異と考えられた.異常蛇行した頸部血管を呈しイントロン部変異を示したMarfan症候群を報告す...

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Published in臨床神経学 Vol. 54; no. 11; pp. 897 - 902
Main Authors 姫野, 隆洋, 高松, 和弘, 吉本, 武史, 森崎, 裕子, 音成, 秀一郎, 竹島, 慎一, 栗山, 勝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経学会 2014
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ISSN0009-918X
1882-0654
DOI10.5692/clinicalneurol.54.897

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Summary:症例は39歳男性である.Marfan症候群と診断され,22歳で大動脈拡張と心臓弁の手術後,ワルファリン内服中に,左前頭葉皮質下出血で入院した.頭部画像検査で,皮質下出血の原因となる異常血管はみとめず,多発微小出血および異常に蛇行した頸部血管をみとめた.遺伝子解析ではフィブリリン1(FBN1)遺伝子解析で第29イントロン部-3位に1塩基置換変異をみとめた.同変異は両親にはみとめず,Marfan症候群の身体所見のある患者の次男と三男では検出され,スプライス異常をおこす病原性を示す新規突然(de novo)変異と考えられた.異常蛇行した頸部血管を呈しイントロン部変異を示したMarfan症候群を報告する.
ISSN:0009-918X
1882-0654
DOI:10.5692/clinicalneurol.54.897