伸展活性化チャネルは急性冠閉塞直後の心電図変化と不整脈に関与する
急性冠閉塞直後の心電図変化と不整脈に及ぼす伸展活性化陽イオンチャネル (SACs) 遮断薬ガドリニウム (Gd3+) の影響を麻酔開胸犬において検討した.一定周期での心房ペーシング下に左室前壁心表面の47点から単極及び双極電位を記録し, 局所の再分極時間 (QTI) とST偏位 (ST) を測定した.左冠動脈前下行枝閉塞1分後よりQTIの短縮とST上昇が認められた.この変化はGd3+500μmol, 2, 500μmolの左房内前投与により用量依存的に抑制され, PVCも減少した.この抑制作用はグリベンクラミド (0.15mg/kg) 静注後も認められた. 以上より, 急性冠閉塞直後の局所壁運...
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Published in | 心電図 Vol. 18; no. 4; pp. 459 - 469 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本不整脈心電学会
1998
日本心電学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0285-1660 1884-2437 |
DOI | 10.5105/jse.18.459 |
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Summary: | 急性冠閉塞直後の心電図変化と不整脈に及ぼす伸展活性化陽イオンチャネル (SACs) 遮断薬ガドリニウム (Gd3+) の影響を麻酔開胸犬において検討した.一定周期での心房ペーシング下に左室前壁心表面の47点から単極及び双極電位を記録し, 局所の再分極時間 (QTI) とST偏位 (ST) を測定した.左冠動脈前下行枝閉塞1分後よりQTIの短縮とST上昇が認められた.この変化はGd3+500μmol, 2, 500μmolの左房内前投与により用量依存的に抑制され, PVCも減少した.この抑制作用はグリベンクラミド (0.15mg/kg) 静注後も認められた. 以上より, 急性冠閉塞直後の局所壁運動異常によるSACsの活性化が, KATPチャネルとは独立にQTI短縮・ST上昇及び不整脈発生に関与することが示唆された. |
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ISSN: | 0285-1660 1884-2437 |
DOI: | 10.5105/jse.18.459 |