自慰目的にハンドグリッパーを経肛門的に挿入し直腸穿通をきたした1例

自慰目的に挿肛したハンドグリッパーが直腸穿通をきたし,開腹手術を必要とした1例を報告する.症例は39歳男性,握力トレーニング用のハンドグリッパーを自慰目的に肛門より挿入し抜去ができなくなった.20日ほど経過し臀部痛を主訴に当院救急外来に受診した.腹部CTで片方のグリップが直腸穿通していたため経肛門的摘出は不可能と判断し,緊急開腹手術(Hartmann手術)を施行しハンドグリッパーを摘出した.術後経過は良好で第10病日に退院した.直腸異物の摘出法に関しては,一定の見解は今のところなく,全身状態,異物の大きさ,形状,材質,肛門・直腸外傷や,消化管穿孔の有無を考慮し,慎重に検討する....

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 70; no. 8; pp. 543 - 548
Main Authors 横井, 英人, 長谷川, 誠司, 和田, 朋子, 菅原, 裕子, 渡辺, 卓央, 池, 秀之, 福島, 忠男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2017
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Summary:自慰目的に挿肛したハンドグリッパーが直腸穿通をきたし,開腹手術を必要とした1例を報告する.症例は39歳男性,握力トレーニング用のハンドグリッパーを自慰目的に肛門より挿入し抜去ができなくなった.20日ほど経過し臀部痛を主訴に当院救急外来に受診した.腹部CTで片方のグリップが直腸穿通していたため経肛門的摘出は不可能と判断し,緊急開腹手術(Hartmann手術)を施行しハンドグリッパーを摘出した.術後経過は良好で第10病日に退院した.直腸異物の摘出法に関しては,一定の見解は今のところなく,全身状態,異物の大きさ,形状,材質,肛門・直腸外傷や,消化管穿孔の有無を考慮し,慎重に検討する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.70.543