PAGディスクリポタンパク分画におけるミッドバンドの成因に関する検討

PAGリポタンパク分画で出現するミッドバンド (異常バンド) について, 血清処理とイムノブロット法を用いて解析を行った. ディスクゲルからのイムノブロットにより, ミッドバンドとして出現しうるリポタンパクとしてLp (a), レムナントリポタンパクが考えられた. 血清処理でLDLを糖化させると, LDL位の陰極側にバンドが出現し, さらに経時的にこのバンドはLDL位の陽極側へ移行した. この移行はEDTAとSOD添加により阻害されたことから, 活性酸素によるLDLの酸化反応と考えられた. このため変性LDLとして糖化LDL, 酸化LDLもミッドバンドとして出現しうるものと思われ, 泡沫細胞の...

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Published in生物物理化学 Vol. 39; no. 3; pp. 175 - 181
Main Authors 渡辺, 正一, 久保野, 勝男, 高橋, 正宜, 実方, 和宏, 堀内, 賢治, 櫻林, 郁之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 1995
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ISSN0031-9082
1349-9785
DOI10.2198/sbk.39.175

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Summary:PAGリポタンパク分画で出現するミッドバンド (異常バンド) について, 血清処理とイムノブロット法を用いて解析を行った. ディスクゲルからのイムノブロットにより, ミッドバンドとして出現しうるリポタンパクとしてLp (a), レムナントリポタンパクが考えられた. 血清処理でLDLを糖化させると, LDL位の陰極側にバンドが出現し, さらに経時的にこのバンドはLDL位の陽極側へ移行した. この移行はEDTAとSOD添加により阻害されたことから, 活性酸素によるLDLの酸化反応と考えられた. このため変性LDLとして糖化LDL, 酸化LDLもミッドバンドとして出現しうるものと思われ, 泡沫細胞の形成への関与という観点から, Lp-DISCのミッドバンドは動脈硬化の危険因子としてより注目されるべきと思われた.
ISSN:0031-9082
1349-9785
DOI:10.2198/sbk.39.175