骨髄異形成症候群における生化学的臨床検査所見の再生不良性貧血との比較検討

当科を受診した骨髄異形性症候群(MDS)患者27名の臨床検査所見を, 再生不良性貧血(AA)患者の検査所見と比較検討した. MDS症例では, AA患者と比較して, 貧血の程度に差を認めないにもかかわらず, LDH値の有意な増加を認めた(P<0.01). これは, MDS患者でみられる貧血の原因として, 無効造血が存在することを示唆するものである. 無効造血の原因として, 細胞のアポトーシスが近年注目されている. MDSの場合も, 赤芽球系の細胞が骨髄内でアポトーシスに陥っている可能性が考えられる....

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Published in医療 Vol. 51; no. 1; pp. 17 - 19
Main Authors 牟田, 耕一郎, 小鶴, 三男, 李, 鳳春, 長野, 光之, 崔, 承日, 鵜池, 直邦, 後藤, 達郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1997
国立医療学会
Subjects
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ISSN0021-1699
1884-8729
DOI10.11261/iryo1946.51.17

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Summary:当科を受診した骨髄異形性症候群(MDS)患者27名の臨床検査所見を, 再生不良性貧血(AA)患者の検査所見と比較検討した. MDS症例では, AA患者と比較して, 貧血の程度に差を認めないにもかかわらず, LDH値の有意な増加を認めた(P<0.01). これは, MDS患者でみられる貧血の原因として, 無効造血が存在することを示唆するものである. 無効造血の原因として, 細胞のアポトーシスが近年注目されている. MDSの場合も, 赤芽球系の細胞が骨髄内でアポトーシスに陥っている可能性が考えられる.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.51.17