異なる4種類のHCV抗原に対する抗体反応について
1988年米国Chiron社の研究陣によって非A非B型肝炎ウイルスの遺伝子がクローン化されC型肝炎ウイルス(HCV)と命名された. さらにその遺伝子から発現された蛋白を抗原とする抗体測定系が開発され, 輸血後肝炎患者の中に高頻度に抗体の存在することが明らかにされた1)2). 本抗原はC-100とよばれ, その後米国を始め世界各国で用いられた結果, 輸血後肝炎患者の80~90%に抗体が存在し, HCVが輸血後肝炎を引き起こす主要なウイルスであることが判明した. しかしながら研究が進むにつれて, 輸血後長期間経過して始めて抗体の出現する例や抗体陰性の血液を輸血してもC型肝炎の発症する例が報告され,...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 557 - 562 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
1992
日本輸血学会 |
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Summary: | 1988年米国Chiron社の研究陣によって非A非B型肝炎ウイルスの遺伝子がクローン化されC型肝炎ウイルス(HCV)と命名された. さらにその遺伝子から発現された蛋白を抗原とする抗体測定系が開発され, 輸血後肝炎患者の中に高頻度に抗体の存在することが明らかにされた1)2). 本抗原はC-100とよばれ, その後米国を始め世界各国で用いられた結果, 輸血後肝炎患者の80~90%に抗体が存在し, HCVが輸血後肝炎を引き起こす主要なウイルスであることが判明した. しかしながら研究が進むにつれて, 輸血後長期間経過して始めて抗体の出現する例や抗体陰性の血液を輸血してもC型肝炎の発症する例が報告され, この抗体測定系についての問題点も幾つか出現してきた3)4). また近年開発されたPolymerase Chain Reaction法によって抗体陰性の血液中にもウイルス遺伝子の存在が確認され, C-100抗原の使用のみではHCV感染症の診断は不十分であることが明らかとなった5). そこで各国の研究者達によってC-100抗原以外のHCV関連抗原の作製が行われるようになり, 最近になり主としてHCVゲノム上Core領域によってコードされた蛋白(Core抗原)を用いた抗体測定法が試みられるようになってきた6)7). |
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ISSN: | 0546-1448 1883-8383 |
DOI: | 10.3925/jjtc1958.38.557 |