切除不能進行・再発大腸癌における好中球/リンパ球比の意義について

化学療法を施行した切除不能進行・再発大腸癌41症例の好中球/リンパ球比(以下NLR)を好中球とリンパ球数から算出しその意義を検討した.NLRの平均値は3.19±2.19(0.45-10.5)で,白血球(r=0.634,p<0.0001),CRP(r=0.526,p=0.0004),アルブミン(r=-0.425,p=0.0056)と相関を認めた.これらの症例をNLRが2.77以下の群とそれ以上の群に大別し,両者の生存率を比較した.両者の生存率には有意差がみられ,NLRが2.77以下の群の生存期間中央値は765日,2.77以上の群では535日であった(p=0.0002).NLRは切除不能進行・再発...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 69; no. 3; pp. 154 - 158
Main Authors 白畑, 敦, 三浦, 康誠, 松本, 匡史, 石田, 康男, 大賀, 純一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2016
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Summary:化学療法を施行した切除不能進行・再発大腸癌41症例の好中球/リンパ球比(以下NLR)を好中球とリンパ球数から算出しその意義を検討した.NLRの平均値は3.19±2.19(0.45-10.5)で,白血球(r=0.634,p<0.0001),CRP(r=0.526,p=0.0004),アルブミン(r=-0.425,p=0.0056)と相関を認めた.これらの症例をNLRが2.77以下の群とそれ以上の群に大別し,両者の生存率を比較した.両者の生存率には有意差がみられ,NLRが2.77以下の群の生存期間中央値は765日,2.77以上の群では535日であった(p=0.0002).NLRは切除不能進行・再発大腸癌症例において有用な予後予測マーカーである可能性が示唆された.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.69.154