頭部血管造影における立体表示システムの開発

我々は, 脳血管造影における検査の安全性向上を目的として, 造影結果を即座に処理し, 術者にブイードバックする3次元表示システムを作成した. 本システムのために付加する装置は, 通常の造影検査に使用する透視装置以外に, 画像処理用ワークステーション1台のみである. このシステムでは, 正面・側面のバイプレーン血管造影を行ない, 得られた画像情報をその場でワークステーションに取り込み, 3次元再構築処理をする. 結果はワークステーションのディスプレイと検査用ビデオモニタ上に同時に表示する. 画像は取り込み後15~45秒程度で処理され, 立体表示される. 血管走行はワークステーションのマウス操作で...

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Published in医療 Vol. 52; no. 1; pp. 8 - 12
Main Authors 大江, 洋介, 石原, 謙, 成田, 昌子, 大塚, 博紀, 山田, 憲嗣, 中山, 博文, 井坂, 吉成, 今泉, 昌利, 内田, 敏和, 御供, 政紀, 井上, 通敏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 1998
国立医療学会
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Summary:我々は, 脳血管造影における検査の安全性向上を目的として, 造影結果を即座に処理し, 術者にブイードバックする3次元表示システムを作成した. 本システムのために付加する装置は, 通常の造影検査に使用する透視装置以外に, 画像処理用ワークステーション1台のみである. このシステムでは, 正面・側面のバイプレーン血管造影を行ない, 得られた画像情報をその場でワークステーションに取り込み, 3次元再構築処理をする. 結果はワークステーションのディスプレイと検査用ビデオモニタ上に同時に表示する. 画像は取り込み後15~45秒程度で処理され, 立体表示される. 血管走行はワークステーションのマウス操作で, 任意の方向に回転させて眺めることができる. 本法により, 検査の流れを中断することなく, 術者は血管の立体的な走行を容易に把握することができるため, これまで血管走行の把握に苦慮したような場合でも迅速な検査ができるようになった.
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.52.8