当院で加療したS状結腸軸捻転症の検討

S状結腸軸捻転症は診断や治療が遅れると腸管壊死や穿孔をきたす急性腹症の1つである.当院において加療を行ったS状結腸軸捻転症について検討した.対象と方法:2013年1月から2018年12月までに当院では32例のS状結腸軸捻転症に対して加療を行った.そのうち手術を行った待機的手術12例,緊急手術4例を対象として治療成績を検討した.結果:待機的手術群における内視鏡的整復後の再燃率は80.4%だった.待機的手術方法は腹腔鏡補助下S状結腸切除を施行し,緊急手術はHartmann手術を施行した.緊急手術群はすべて初発であった.待機的手術群では術中出血量が少なく,術後在院日数が短かった.観察期間は短いものの...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 72; no. 6; pp. 388 - 394
Main Authors 竹内, 瑞葵, 中川, 真理, 大谷, 泰介, 小田, 晃弘, 松尾, 亮太, 野田, 大地
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2019
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.72.388

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Summary:S状結腸軸捻転症は診断や治療が遅れると腸管壊死や穿孔をきたす急性腹症の1つである.当院において加療を行ったS状結腸軸捻転症について検討した.対象と方法:2013年1月から2018年12月までに当院では32例のS状結腸軸捻転症に対して加療を行った.そのうち手術を行った待機的手術12例,緊急手術4例を対象として治療成績を検討した.結果:待機的手術群における内視鏡的整復後の再燃率は80.4%だった.待機的手術方法は腹腔鏡補助下S状結腸切除を施行し,緊急手術はHartmann手術を施行した.緊急手術群はすべて初発であった.待機的手術群では術中出血量が少なく,術後在院日数が短かった.観察期間は短いものの術後の再燃例は認めていない.結語:S状結腸軸捻転症の重症化を予防するために積極的な待機的腹腔鏡手術が有効であると考えられた.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.72.388