未就学児における瞳孔径および瞳孔動態の性差
【目的】赤外線電子瞳孔計を用いて小児における性差が瞳孔に与える影響を検討すること.【対象および方法】対象は4~6歳児,29名(52眼)である.保育園眼科健診にて瞳孔,眼軸長,非調節麻痺下他覚的屈折検査の測定を行った.瞳孔記録は対光反射に関するパラメータ(最大瞳孔径,最小瞳孔径,縮瞳率,潜時,平均縮瞳速度,最大縮瞳速度,散瞳速度,75%回復時間)を用いて評価した.【結果】最大瞳孔径(すべて男児:女児の順で6.3±0.8 mm :5.9±0.6 mm),最小瞳孔径(3.4±0.5 mm :3.0±0.4 mm)とも男児の方が女児よりも有意に大きかった(p<0.05)が,その他のパラメータで性...
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Published in | 神経眼科 Vol. 41; no. 4; pp. 321 - 327 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本神経眼科学会
25.12.2024
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ISSN | 0289-7024 2188-2002 |
DOI | 10.11476/shinkeiganka.41.321 |
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Summary: | 【目的】赤外線電子瞳孔計を用いて小児における性差が瞳孔に与える影響を検討すること.【対象および方法】対象は4~6歳児,29名(52眼)である.保育園眼科健診にて瞳孔,眼軸長,非調節麻痺下他覚的屈折検査の測定を行った.瞳孔記録は対光反射に関するパラメータ(最大瞳孔径,最小瞳孔径,縮瞳率,潜時,平均縮瞳速度,最大縮瞳速度,散瞳速度,75%回復時間)を用いて評価した.【結果】最大瞳孔径(すべて男児:女児の順で6.3±0.8 mm :5.9±0.6 mm),最小瞳孔径(3.4±0.5 mm :3.0±0.4 mm)とも男児の方が女児よりも有意に大きかった(p<0.05)が,その他のパラメータで性差は認めなかった.眼軸長は男児(22.4±0.6 mm)が女児(22.0±0.7 mm)と比較して有意に長く,眼軸長は最大瞳孔径(r=0.29,p<0.05)および最小瞳孔径(r=0.31,p<0.05)と有意な正の相関を示した.【結論】男児の方が女児よりも眼軸長および瞳孔径が大きく,小児において性差が眼球構造に影響を与える可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0289-7024 2188-2002 |
DOI: | 10.11476/shinkeiganka.41.321 |