異なる構造をもつ熱可塑性エラストマー混合物のミクロ相分離構造と力学物性の関係

熱可塑性エラストマーSIS (スチレン–イソプレンブロックコポリマー)を対称構造のSISと非対称構造のSIS′の混合物としたところ,これまでの接着材や粘着剤の用途に加えて,エラスティックフィルム用途にも利用できる応力と復元性に優れた材料となった.その物性発現機構を解明するため,透過型電子顕微鏡(TEM)と極小角・小角X線散乱法(USAXS, SAXS),SCF法による相分離シミュレーションを用いた構造解析を行った.その結果,サイズの異なる大小のSドメインがランダムに分布する相分離構造を有することがわかった.また,この相分離構造はマクロ相分離の影響を受け,プロセッシング条件によって大きな変化がみ...

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Published in高分子論文集 Vol. 72; no. 3; pp. 104 - 109
Main Authors 前田, 太志, 橋本, 貞治, 本田, 隆, 仲摩, 雄季, 小田, 亮二, 高柳, 篤史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2015
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2014-0061

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Summary:熱可塑性エラストマーSIS (スチレン–イソプレンブロックコポリマー)を対称構造のSISと非対称構造のSIS′の混合物としたところ,これまでの接着材や粘着剤の用途に加えて,エラスティックフィルム用途にも利用できる応力と復元性に優れた材料となった.その物性発現機構を解明するため,透過型電子顕微鏡(TEM)と極小角・小角X線散乱法(USAXS, SAXS),SCF法による相分離シミュレーションを用いた構造解析を行った.その結果,サイズの異なる大小のSドメインがランダムに分布する相分離構造を有することがわかった.また,この相分離構造はマクロ相分離の影響を受け,プロセッシング条件によって大きな変化がみられることもわかった.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2014-0061