アパタイト被覆酸化チタン微粒子を用いた高分子光触媒シートのチョーキング抑制

本報は,アパタイト被覆TiO2微粒子(AP-TiO2)を分散したPVDF光触媒シートの構造および光触媒活性に及ぼす紫外光照射効果について述べている.TiO2分散シートとAP-TiO2分散シートに紫外光を1000時間照射し,シートの構造および光触媒活性への影響を比較検討した結果,TiO2分散PVDF光触媒シートではシートの白濁が見られたが,AP-TiO2分散PVDF光触媒シートには白濁現象は見られなかった.さらに,TiO2分散PVDFシートでは,シートの白濁とともに新たな赤外吸収ピークが発現し,光触媒活性の劣化が観察された.AP-TiO2分散PVDF光触媒シートで白濁が見られなかった理由は,Ti...

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Published in高分子論文集 Vol. 72; no. 4; pp. 178 - 183
Main Authors 本多, 隼人, 前田, 正彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 2015
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.2014-0085

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Summary:本報は,アパタイト被覆TiO2微粒子(AP-TiO2)を分散したPVDF光触媒シートの構造および光触媒活性に及ぼす紫外光照射効果について述べている.TiO2分散シートとAP-TiO2分散シートに紫外光を1000時間照射し,シートの構造および光触媒活性への影響を比較検討した結果,TiO2分散PVDF光触媒シートではシートの白濁が見られたが,AP-TiO2分散PVDF光触媒シートには白濁現象は見られなかった.さらに,TiO2分散PVDFシートでは,シートの白濁とともに新たな赤外吸収ピークが発現し,光触媒活性の劣化が観察された.AP-TiO2分散PVDF光触媒シートで白濁が見られなかった理由は,TiO2微粒子の表面を局部的に被覆しているアパタイトがシート中でTiO2とPVDFとの接触面積を減少させたことにより,TiO2の光触媒作用によるPVDFシートの局所的分解が抑制されたためと考えられる.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.2014-0085