メトトレキサートとミゾリビン併用療法の関節リウマチに対する有効性と安全性の検討

背景:ミゾリビン (MZB)はDMARDsとして使用されるプリンアナログであり、比較的安全性が高いとされている。我々はメトトレキサート (MTX)効果不十分例にミゾリビンを併用投与し、その有効性と安全性について検討した。 方法:米国リウマチ学会の関節リウマチ診断基準を満たし、MTXにて臨床的に効果不十分と考えられた33例 (男性9例、女性24例、平均年齢67.8±12.2歳)に対し、MZB (150mg/日)を併用した。DAS28-CRPを0、3、6、12ヵ月で計測し有害事象も評価した。 結果:対象の罹病期間は10.2±8.0年、MTXならびにプレドニゾロン投与量はそれぞれ、8.3±2.3mg...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 165
Main Authors 木本, 理, 鈴木, 大介, 下山, 久美子, 澤田, 仁, 大橋, 弘幸, 山村, 昌弘, 小川, 法良
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.165.0

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Summary:背景:ミゾリビン (MZB)はDMARDsとして使用されるプリンアナログであり、比較的安全性が高いとされている。我々はメトトレキサート (MTX)効果不十分例にミゾリビンを併用投与し、その有効性と安全性について検討した。 方法:米国リウマチ学会の関節リウマチ診断基準を満たし、MTXにて臨床的に効果不十分と考えられた33例 (男性9例、女性24例、平均年齢67.8±12.2歳)に対し、MZB (150mg/日)を併用した。DAS28-CRPを0、3、6、12ヵ月で計測し有害事象も評価した。 結果:対象の罹病期間は10.2±8.0年、MTXならびにプレドニゾロン投与量はそれぞれ、8.3±2.3mg、2.2±2.1mg/週であった。観察期間は5.9±4.2ヵ月であった。平均DAS28-CRPは4.3±1.1から 3ヵ月で3.1±1.3 (p<0.01)、6ヵ月で2.7±0.68 (p<0.01)、12ヵ月で2.7±1.5 (p<0.01)と有意に低下した。最終観察時に15例 (45%)にEULARのDAS28-CRP改善率で中等度以上の反応性を認めたが、8例は無反応であった。この2群において投与前の背景に差を認めなかった。DAS28-CRPの改善率は1ヵ月の時点で反応群 (0.94±0.79)に対し、無反応群 (0.22±0.60) (p<0.01)と有意に改善していた。EULARのDAS28-CRP改善率で中等度以上の活動性 (3.78±0.69)があった9例 (27%) で寛解に至った (1.6±0.47)。5例で有害事象を認めた (肺炎2例、下痢1例、脱毛1例、単純疱疹1例)。肺炎は重篤なものではなく抗生物質による外来治療で軽快した。 結論:MTXとMZBの併用療法はMTX単独療法で効果不十分な症例の約半数に有効で、重篤な有害事象は認めなかった。MTXとMZB併用療法はMTXの増量が難しい高齢者等の関節リウマチ治療に有用である可能性がある。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.165.0