個々の患者に適応した処方監査 病院情報システムからの患者基本情報の抽出と処方監査への応用
[緒言] 薬剤師の医療における存在価値は, 薬物療法, ひいては医療全体の安全性にどれだけ貢献できるかによる. すなわち, 薬剤師が処方された医薬品を, 薬学的見地から監査し, 最良の方法で調製し, 適切な服薬説明とモニタリングを行うことである. 中でも, 処方せん監査は, 薬剤師の最も基本的かつ重要な職務である. 処方監査は, 処方された薬物の用法, 用量, 薬物間での相互作用, および, 腎, 肝機能などの低下した患者における薬物動態などの評価を的確に行う必要がある. 外来患者の薬物療法監査(処方監査)において, 多くの場合, 薬剤師の情報源は1枚の処方せんからである. しかし, 1枚の処...
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Published in | 医療薬学 Vol. 33; no. 2; pp. 145 - 151 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人日本医療薬学会
2007
日本医療薬学会 |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1346-342X 1882-1499 |
DOI | 10.5649/jjphcs.33.145 |
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Summary: | [緒言] 薬剤師の医療における存在価値は, 薬物療法, ひいては医療全体の安全性にどれだけ貢献できるかによる. すなわち, 薬剤師が処方された医薬品を, 薬学的見地から監査し, 最良の方法で調製し, 適切な服薬説明とモニタリングを行うことである. 中でも, 処方せん監査は, 薬剤師の最も基本的かつ重要な職務である. 処方監査は, 処方された薬物の用法, 用量, 薬物間での相互作用, および, 腎, 肝機能などの低下した患者における薬物動態などの評価を的確に行う必要がある. 外来患者の薬物療法監査(処方監査)において, 多くの場合, 薬剤師の情報源は1枚の処方せんからである. しかし, 1枚の処方せんから得られる情報量は少なく, 患者個々人の病態に適した薬物療法という面での処方監査は困難である. すなわち, 処方薬物間の相互作用や一般的な用法, 用量のチェックは可能であるが, 患者の状態との関連性での処方監査は不可能である. また, 治療期間中, 患者の検査値をモニターしなければならない薬剤はたくさん存在する. |
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ISSN: | 1346-342X 1882-1499 |
DOI: | 10.5649/jjphcs.33.145 |