スポーツ理学療法の更なる発展に向けて
1年延期となった東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)が今年開催され、多くの理学療法士が活動し、海外のアスリートなどに理学療法を提供した。その活動においては、国際基準の知識と技能が求められ、それに対応するための準備が行われた。今後もスポーツ理学療法の国際的動向や国際認定スポーツ理学療法士の資格制度を見据えつつ、我が国のスポーツ理学療法を発展させていく必要がある。また、東京2020大会を契機に障がい者スポーツに関わる理学療法士が増え、障がい者へのスポーツ理学療法の科学的根拠の構築がより一層活発になっていくことが望まれる。競技スポーツの競技力向上や外傷予防の一方で、第2期スポ...
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Published in | Japanese Journal of Sports Physical Therapy Vol. 1; no. Supplement; p. S1 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本スポーツ理学療法学会
2021
Japanese Society of Sports Physical Therapy |
Online Access | Get full text |
ISSN | 2758-4356 |
DOI | 10.57495/jjspt.1.Supplement_S1 |
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Summary: | 1年延期となった東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020大会)が今年開催され、多くの理学療法士が活動し、海外のアスリートなどに理学療法を提供した。その活動においては、国際基準の知識と技能が求められ、それに対応するための準備が行われた。今後もスポーツ理学療法の国際的動向や国際認定スポーツ理学療法士の資格制度を見据えつつ、我が国のスポーツ理学療法を発展させていく必要がある。また、東京2020大会を契機に障がい者スポーツに関わる理学療法士が増え、障がい者へのスポーツ理学療法の科学的根拠の構築がより一層活発になっていくことが望まれる。競技スポーツの競技力向上や外傷予防の一方で、第2期スポーツ基本計画では生涯スポーツの実施率の向上やスポーツ医学・科学の知見を活用した健康増進への取り組みなども推進されている。特に高齢者のスポーツ実施率は増加しており、今後、健康寿命の延伸にもつながっていくと考えられる。2022年度からは第3期スポーツ基本計画がスタートする。我が国のスポーツの指針や動向に応じて、質の高いスポーツ理学療法を提供できるようにしなければならない。このような側面からも、スポーツ理学療法への期待と活動範囲は大きくなっていくことが考えられる。これらに応えるためには、スポーツ理学療法がカバーすべき範囲や社会的役割を整理し、質の高い研究により、学術レベルの向上を図ることが重要である。そして、得られた科学的根拠を実践に結びつけなければならない。日本スポーツ理学療法学会は今年4月に法人化され、そして、東京 2020大会が開催された今、本学術大会を我が国のスポーツ理学療法の更なる発展に向けたスタートの機会としたい。 |
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ISSN: | 2758-4356 |
DOI: | 10.57495/jjspt.1.Supplement_S1 |