単分散型高分子微粒子表面上でのアクリル酸のRAFT重合
スチレン(St),グリシジルメタクリル酸エステル(GMA),ジビニルベンゼン(DVB)を原料に無乳化剤乳化重合法にて,単分散型高分子微粒子を調製した.この高分子微粒子表面にRAFT剤を化学的に固定化するためにまず,リンカー分子としてエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル(EGAE)を導入後,ジチオエステル系RAFT 残基がリンカー末端にアミド結合したRAFT-1粒子を調製した.RAFT剤の導入量(Loading Capacity (LC))は,硫黄原子Sの元素分析値から200 µmol/gと見積もった.RAFT-1粒子存在下アクリル酸モノマーをもちいて,RAFT重合を行い,ポリア...
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Published in | 高分子論文集 Vol. 72; no. 4; pp. 184 - 189 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 高分子学会
2015
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ISSN | 0386-2186 1881-5685 |
DOI | 10.1295/koron.2014-0096 |
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Summary: | スチレン(St),グリシジルメタクリル酸エステル(GMA),ジビニルベンゼン(DVB)を原料に無乳化剤乳化重合法にて,単分散型高分子微粒子を調製した.この高分子微粒子表面にRAFT剤を化学的に固定化するためにまず,リンカー分子としてエチレングリコールビス(3-アミノプロピル)エーテル(EGAE)を導入後,ジチオエステル系RAFT 残基がリンカー末端にアミド結合したRAFT-1粒子を調製した.RAFT剤の導入量(Loading Capacity (LC))は,硫黄原子Sの元素分析値から200 µmol/gと見積もった.RAFT-1粒子存在下アクリル酸モノマーをもちいて,RAFT重合を行い,ポリアクリル酸が表面グラフト重合した粒子径333 nmの単分散型高分子微粒子(SG-PAA-1)の合成に成功した.同様にトリチオ炭酸エステル系RAFT剤を表面固定化したRAFT-2粒子では,RAFT剤の導入量は40 µmol/gと低く,アクリル酸を重合した後の粒子径は448 nmとなった(SG-PAA-2).SG-PAA-1粒子の水分散溶液は,pH 2以下の酸性領域では,微粒子が凝集沈降したが,中性に戻すと再び均一分散した. |
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ISSN: | 0386-2186 1881-5685 |
DOI: | 10.1295/koron.2014-0096 |