姿勢の違いと日本人の平均皮膚温算出法

姿勢が異なることによる温熱環境を人体側から評価する指標として, 姿勢別の平均皮膚温度が定義された.体表解剖学上の区分にしたがい, 各区分ごとに人体と床面との接触面積が, 女性15人を用いて実測された.実測に用いられた姿勢には, 生活空間でとられると考えられる立位と椅座位, 正座位, 胡座位, 横座位, 立て膝位, 投げ足位, 側臥位の8種類が選択された.各姿勢ごとに, 人体と床面との接触区分が明確にされ, 接触面積が定量化された.臀部を中心として床面と接触する平座位では, 臀部と大腿部に体型による接触面積比の差が顕著に現れた.また側臥位での躯幹部と上膊部に体型による接触面積比の差が顕著に現れた...

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Published in日本生気象学会雑誌 Vol. 35; no. 4; pp. 121 - 132
Main Authors 植木, 弥生, 長井, 秀樹, 古川, 倫子, 藤原, 三和子, 山本, 志津恵, 松原, 斎樹, 藏澄, 美仁, 上, 麻美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本生気象学会 1998
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ISSN0389-1313
1347-7617
DOI10.11227/seikisho1966.35.4_121

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Summary:姿勢が異なることによる温熱環境を人体側から評価する指標として, 姿勢別の平均皮膚温度が定義された.体表解剖学上の区分にしたがい, 各区分ごとに人体と床面との接触面積が, 女性15人を用いて実測された.実測に用いられた姿勢には, 生活空間でとられると考えられる立位と椅座位, 正座位, 胡座位, 横座位, 立て膝位, 投げ足位, 側臥位の8種類が選択された.各姿勢ごとに, 人体と床面との接触区分が明確にされ, 接触面積が定量化された.臀部を中心として床面と接触する平座位では, 臀部と大腿部に体型による接触面積比の差が顕著に現れた.また側臥位での躯幹部と上膊部に体型による接触面積比の差が顕著に現れた.体型による接触面積比の差を考慮し, Hardy-DuBoisの平均皮膚温算出用の重み係数の修正により, 各姿勢ごとに体型別の平均皮膚温算出用の重み係数が定義された.日本人男性の姿勢別の床面との接触面積の実測結果とを総合し, 日本人の体表区分比率に基づいた各姿勢ごとの平均皮膚温算出用の重み係数が定義された.
ISSN:0389-1313
1347-7617
DOI:10.11227/seikisho1966.35.4_121