伴性劣性無γ-グロブリン血症に関節リウマチを合併した一例

症例:36歳男性、主訴;多発関節痛、既往歴;2歳;伴性劣性無γ-グロブリン血症(XLA)、20歳;気管支拡張症、29歳左肺化膿症・右肺分画症の診断にて左肺下葉切除術施行。家族歴;弟XLA、関節リウマチの家族歴は。現病歴;伴性劣性無γ-グロブリン血症にて定期的にγ-グロブリン点滴を行っていたが肺炎を繰り返し、20歳時に気管支拡張症、2002年には左肺化膿症・右肺分画症の診断にて左肺下葉切除術施行されている。2007年11月に肺炎に罹患後同年12月より右膝関節炎と発熱が出現。近医にて関節穿刺や膝関節鏡、滑膜生検施行されるも確定診断には至らなかった。2009年1月より右手関節・右第_V_指MP関節・...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 37; p. 183
Main Authors 田中, 敏郎, 川瀬, 一郎, 嶋, 良仁, 平野, 亨, もりしま, 淳仁, 萩原, 圭祐, 楢崎, 雅史, 河合, 麻里, 桑原, 裕, 石井, 泰子, 緒方, 篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2009
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.37.0.183.0

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Summary:症例:36歳男性、主訴;多発関節痛、既往歴;2歳;伴性劣性無γ-グロブリン血症(XLA)、20歳;気管支拡張症、29歳左肺化膿症・右肺分画症の診断にて左肺下葉切除術施行。家族歴;弟XLA、関節リウマチの家族歴は。現病歴;伴性劣性無γ-グロブリン血症にて定期的にγ-グロブリン点滴を行っていたが肺炎を繰り返し、20歳時に気管支拡張症、2002年には左肺化膿症・右肺分画症の診断にて左肺下葉切除術施行されている。2007年11月に肺炎に罹患後同年12月より右膝関節炎と発熱が出現。近医にて関節穿刺や膝関節鏡、滑膜生検施行されるも確定診断には至らなかった。2009年1月より右手関節・右第_V_指MP関節・第_I_指PIP関節や対側膝関節などの関節炎も出現し、当院当科受診。関節液培養にて菌は検出されなかったがマイコプラズマなどの感染や反応性関節炎などを考え抗生剤を投与されたが効果なく症状増悪し、歩行なども困難になったため平成20年2月7日当院当科入院となった。RF、CCP,抗体は陰性であったが炎症所見強く、MMP-3の増加も認めた。診断のために滑膜生検を行ったが、感染は認めず、関節リウマチ(RA)に矛盾しない所見であったので関節リウマチと診断した。考察;RAの発症にBリンパ球系の関与が示唆されているがBリンパ球系に異常のあるXLAにおいてRAを発症したことはRAの発症機序を考える上で興味深い。
Bibliography:2-58
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.37.0.183.0